銘柄の選び方
どうやって、白酒の銘柄を選ぶのか?
中国のレストランに入ると、食欲をそそる中国料理の香り。奥の勘定場には、その土地の名酒と白酒がセレクトしてあります。
給仕人の案内のもとテーブルにつき、主賓は入り口から一番奥に座り、二番目はその左に座っていきます。ほどなくしてお茶とメニューが出てくれば、まずはお茶を飲みつつ、一連の料理を注文します。
白酒の銘柄を選ぶのは基本的にその場で一番大切な方、もしくはお客が希望される方です。
白酒の注文で気持ちを表す
同席する各人の好み、地元の習慣、飲む量、収入などを考慮しながら、白酒のブランドを決めます。
以前、筆者が中国企業に在籍していたとき、同じ部の仲間が送別会を開いてくれました。そこで、当時の上司が記念として瀘州老窖の高級酒「国窖1573」(1500元以上)を特別に注文。白酒のブランドで送り出す気持ちと面子を感じさせてくれる。白酒は中国の宴会にとって、とても大事な食文化の一つなのです。
白酒の飲み方
白酒は「ストレートで飲む」
白酒の度数は約50度。「割って飲むのか?」と思うかもしれませんが、一般的な飲み方はストレートです。写真のような小さなグラスで「乾杯(ガンベイ)!」と言い、テーブルにいる全員で杯を傾けて、乾杯を行います。日本で乾杯をするときは、最初の挨拶と締めの2回が主流ですが、中国の宴会では幾度となく乾杯をします。
乾杯方法
乾杯をする3つのタイミング
乾杯するタイミングはまとめると3つあります。
- 主賓に敬意を表して乾杯をする
- 同じテーブルの仲間と一緒に食事を味わうために
- 自分が飲みたいな!と思ったとき
1.主賓に敬意を表して乾杯をする
中国の駐在員が現地の社員に白酒をたくさん勧められ、飲みすぎて記憶を失った…という話がよくあります。中国では主賓に敬意を示す場合、まずは主賓の席に来て、1対1で乾杯をします。飲める主賓は乾杯をして、そのまま飲み干してもよし、「随意(スイイー)」と言って軽く飲むのもよしです。
ただし、ベストは「相手側が杯を干していたら、主賓側も飲み干す」です。相手の敬意を受け止め、乾杯をするということは、今後の仕事や関係性が円滑に進むためのコミュニケーションに繋がります。
なので、主賓になった場合、できるだけ、乾杯を受けて立ちましょう。ただし、主賓1に対して相手がN(複数)になると激しい乾杯合戦が行われるので、注意してください。
2.同じテーブルの仲間と一緒に食事を味わうために
これは仕事の同僚やこれからビジネスやプロジェクトを一緒にする仲間たちの会食の場合です。中国はあいさつで「吃饭了吗?(ご飯食べましたか?)」するぐらい、食文化を中心にコミュニケーションします。
あまり知らないもの同士、どうやって仲良くなるかというと、まずは「杯を重ねて、乾杯をする」です。杯を重ねて、乾杯をすればするほど、お互いの距離が近くなります。なので、みんなが乾杯しだしたら、テーブル全員を見渡して自分も「乾杯!」と言いましょう。すると一体感が生まれて、不思議と仲良くなります。
3.自分が飲みたいな!と思ったとき
白酒の場合、よほどの酒飲みでない限り、自分だけでちびちび飲むことはしません。「飲みたいな!」と思ったら、テーブルのみんなを見て、みんなで飲みましょう。これが中国の宴会特有のみんなで一緒になり、一体感が生まれる楽しさの秘訣です。
バイボール
白酒の飲み方「バイボール」
「アルコール約50度をストレートで飲むのはキツイ」という方におすすめなのが「バイボール」。「バイボール」は白酒と炭酸ソーダを割った新しい白酒の飲み方です。使う白酒はアルコールが低い「江小白(ジャンシャオバイ)」がおすすめ。
炭酸ソーダのみだと少し白酒の香りがするので、レモンやライムなど柑橘系の果汁をいれるとすっきりした味わいになります。
バイボールの派生で、スプライトやジンジャーエールで甘く割るスタイルも中国では人気です。
相性の良さ
白酒と中国料理の相性の良さを感じてほしい
油に旨味や香りをつけて、調理をする中国料理は当然、油をたくさん使います。油の多い中国料理を口に入れると口の中が油だらけになります。ただし、アルコール度数の高い白酒を口の中に含むと、油がアルコールに溶けて流れていき、口の中が再びさっぱりし、次に口に入れる料理はまた新鮮な味わいになります。
だから、中国料理と白酒の相性抜群なのです。さぁ、今日はみんなで白酒で乾杯しましょう!
※こちらの記事の参考文献:https://baijiu.jp/reference