西安から千葉へ、中国料理大師の楊新良シェフがつくる料理
千葉県柏市の「福来麺菜館(ふくらいめんさいかん)」はJR柏駅から徒歩10分ほどの住宅街の真っただ中にある陝西省の本格料理店。陝西省は中国の西部にあって秦や唐といった中国の古代王朝の都だった「長安」が有名で、同省出身の楊新良さんがオーナーだ。地域から愛されているお店で来店客のほとんどは近所に住む日本人という。
陝西省の名酒「西凰酒」
楊さんが提供する陝西省の料理などのコース(1人あたり2,800円から)では、「どうせなら地元のお酒を飲みたい」と陝西省で作られた白酒の注文も多い。かつて貴州省の「茅台酒」などと並んで「中国八大白酒」にも選ばれていたほどの陝西省の名酒「西凰(シーホン)酒」などの銘柄が人気のようだ。
価格は1本(720㎖)3万円からとやや高めだが、鮮烈なのど越しに漂う芳醇な上品な香りが絶品。予算を抑えたい人には四川省の「五糧醇」(グラス一杯600円)といった安めの価格帯の白酒をお勧めしたい。
予算を抑えたい人には四川省の「五糧醇」(グラス一杯600円)もおすすめ
特別に作ってもらった陝西料理の数々はこちら
楊さんによると、陝西省の料理は酸味と辛味の入り混じった「酸辛」(サンラー)の味付けが特徴だ。コースを頼んでも出てくる「冷やし麻婆豆腐」「和牛のクミン炒め」といった陝西省の料理はほどよくきいた酸味とピリっとした辛さのバランスが絶妙。クセになる味わいで、ついつい白酒の盃を傾けてしまう…。
楊さんの出身の西安は小麦文化圏。餃子のみで宴をつくる餃子宴もある。
料理を待つ合間に「まずはこれ食べておいて」とポン!と出される料理がどれも抜群においしい!
こちらの料理からメニューにない陝西料理。お酢とラー油であえた鶏のモミジは西安の故郷の味つけ「酸辣」。
あっさりとした海鮮炒め。火の通しが抜群でこれは美味!
柔らかい和牛にスパイスをまぶした一皿。クミンの香りが食欲そそり、旨味も倍増!
自家製の干肉(腊肉ラーロウ)と野菜の炒め物。腊肉の油と野菜が一体になり、これぞ白酒のつまみという料理。
モツをラー油で合えた白酒のためにあるようなつまみ。少し酸味があり、これがまたおいしい!
東京でもなかなか味わえない陝西省の美食と美酒
楊さんは料理に使うスパイスやニンニクを自分で栽培するほど食材にこだわるプロの料理人だ。東京でもなかなか味わえない陝西省の美食と美酒を交えてぜひ堪能してほしい。