白酒はコーリャン等の穀物を糖化・発酵(主に個体発酵)させ、蒸留してからつくられるお酒。細かい作り方は各酒造メーカーによって異なりますが「白酒の作り方」を図式化し、ご紹介します!
1.コーリャン
白酒の主な原料です。各白酒メーカーにより、穀物は糯米(もち米)、大米(うるち米)、トウモロコシ、小麦等配合して作られます。
2.原料を漬ける
原料を破砕し、高温でつける。
3.原料を蒸す
湿気を与え、甑(こしき)で蒸す。
4.冷却させ、曲(麹)を入れる
発酵の適温まで冷却させる。撹拌を繰り返し、曲を入れる。※大曲は小麦、大麦、そして一定量のエンドウを含む。小曲は米、小麦を原料とする。
5.麹菌を培養、糖化させる
温度を一定に保ち、厚さを揃え、平らにする。
6.発酵させる窖に入れる
発酵前の原料や曲が混ざったものを穴、または容器に入れる。窖(ジャオ)は白酒の発酵槽。
7.発酵させる
窖の中にいる酵母が作用してアルコール発酵が起こる。
8.甑(こしき)に入れる
原料等を均等に入れ、蒸留の下準備をする。
9.蒸留する
白酒は蒸留酒。酒頭(蒸留される最初の酒)、酒身(中留の酒)、酒尾(後留の酒)。酒頭は刺激臭が強く、次の仕込み等で使用。酒身が白酒となる。酒尾は苦みや渋みを持っているので、廃棄される。
名酒は熟成させる
画像はなかったのですが最後の工程が「10.陳醸=白酒を熟成させる」。甕(かめ)に貯蔵し、早いものは数か月で出荷。高級酒となれば2年~4年ほど寝かす。これが名酒となる所以です。
図でみるとなんとなく白酒の作る工程がイメージできますね。ちなみに茅台などは独自の発酵のさせ方をします。
茅台の製造方法は「回沙(ホイシャー)発酵」という特殊な方法を使って作られています。(原料の高粱のことを「沙(シャー)」という)
- 原料を蒸して、窖に入れて、一ヶ月間の発酵を終了した酒醅(穴蔵から掘り出された原料等)を取り出し、それに再び生の沙を混ぜ、甑(こしき)に入れて蒸留。これが第一次蒸留でできた酒を「生沙酒」と言います。
- この生沙酒は製品とせず、蒸した原料に振りまき、生沙酒を大曲に加えて、再び窖に入れて発酵させる。これを「以酒養窖」と言います。そして、再び、一ヶ月後取り出して蒸留します。
- この第二次蒸留でできた酒は製品として採用しますが、酒頭(蒸留されてくる最初の酒の初留)と酒尾(蒸留されてくる最後の後留)は取っておきます。
- 二時蒸留でできた蒸留粕に再び曲を加え、3.でとっておいた酒頭、酒尾を加えて、再び窖に入れて発酵。このような操作を「回沙(ホイシャー)」といいます。
- 一ヶ月後、また掘り出してきて再び蒸留し、酒を取る。このようにして、回沙を7回繰り返すのが、一回の生産周期となります。
この7回繰り返す生産周期は長いもので1年かかります。
そして、さらに何年も寝かせて熟成させます。それほど手間がかかっているので、高級なのです。